升田幸三実力制第4代名人~1~
公開日:
:
最終更新日:2014/12/07
プロ棋士
以前、羽生名人は対戦してみたい故人の棋士に、升田先生の名前を上げており、将棋に寿命があるとしたら300年は短くしたと発言していました。
独創的な指しまわしで当時の定跡を無視した指し手は、現在となった今、見なおされ利にかなった多くの戦法は昨今の将棋の基礎になっています。
新手一生を掲げて魅せる将棋を大切にした升田先生とはどうのような人物だったのだろうか。
私の好きなエピソードをご紹介します。
終戦直後GHQによる検閲調査で、将棋は相手の駒を取ったら味方の駒として使うため捕虜虐待の思想ゲームではないかとイチャモンを付けられ、将棋を廃止し欧米で人気のチェスを押し進めようとしていました。窮地に陥った将棋連盟は将棋界でもっとも弁のたつ升田に託しGHQに乗り込みます。
先手必勝、早速アルコールを要求し、将棋界の運命をかけて対局開始です。
将棋は常に全部の駒が生きている。これは能力を尊重し、それぞれに働き場所を与えようという思想だ。しかも敵が味方になっても同じ階級のままで仕事をさせる。
あなたたちはしきりに民主主義を振り回すけど、チェスはどうだ。王様が危なくなると、女王を盾にしても逃げようとするじゃないか。古来より日本の武将は落城にあたっては女、子供を間道から逃がし、しかるのちに切腹したものだ。民主主義、民主主義と、バカの一つ覚えに唱えるより、日本の将棋をよく勉強して、政治に活用したらどうだ。と一喝。
![]() 升田幸三扇子【手眼】 fs04gm |
GHQは言葉を失い面くらったようです。
GHQ相手にここまで言い返せる人間は当時の日本には升田先生以外いなかったといっても過言ではありませんね。日本将棋を守りぬいてくれた恩人に、日本人として将棋好きとして感謝しなればいけません。
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