升田幸三実力制第4代名人~2~
公開日:
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最終更新日:2014/12/07
プロ棋士
昨日引き続き、升田先生のエピソードをご紹介します。
陣屋事件
当時の王将戦では、必ず第7局まで指すことになっており(現在は4勝すればタイトル保持)、3勝差がついていれば駒落ちで対局する規定になっていました。升田4勝、木村1勝で第6局目は規定の駒落ちでの対局でした。しかし、対局前日の検分に訪れた升田先生は、玄関のベルを押しても関係者が迎えにこなかったので、非礼だと怒って別の旅館に行ってしまったのです。これを知った関係者は、升田先生を呼びにいったが頑なに拒み、対局は実施されませんでした。
第6局は升田先生の不戦敗となり事は収まったが、もし仮に第6局が行われ升田が勝つと名人の権威にキズがつくため、ベルがならなかったという口実で対局を拒否したのではないだろうか。と言われています。
後日、升田は陣屋旅館に対し、「強がりが雪にころんで廻りみる」の色紙を残しています。かわいらしい一面があるんですね。
しかし、ここで終わらないのが升田伝説です。
その数年後、またまた王将戦で当時の王将大山に対し、3連勝して追い込み駒落ちでの対局になりました。香落ちでも勝利し、名人に香と引いて勝ってしまったのです。
ちなみに対戦相手の大山は升田先生の弟弟子のため、ガチンコで対局したのでしょう。
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