受けのスタイル~木村八段~
公開日:
:
最終更新日:2014/12/07
プロ棋士
受けのスタイル~木村八段~
将棋で勝つには相手の玉を詰ます以外に、相手の攻めを切らして受け潰す方法があります。千駄ヶ谷の受け師こと木村一基先生が得意としていて、アマチュアレベルでは非常に難しい作戦となっています。
その理由として、攻めてのあらゆる変化を読み切らないといけなく、仮に一手の読み抜けがあるだけで自陣は崩壊しかねないからです。
木村先生の将棋は独特で、玉を小駒のように軽快に動かすイメージがあります。玉を金銀のように受け駒として使ったり(いわゆる顔面受け)、あえて相手の攻め駒を引き込んでみたり、攻め駒を根こそぎ攻めたり、相手の攻め筋を完璧に読みきってこそできるわざで、多くの観戦者を驚かせることがあります。私にはとても危険すぎて真似するのは容易ではありません。
![]() 【楽天ブックスならいつでも送料無料】木村一基の初級者でもわかる受けの基本 [ 木村一基 ] |
一方、昨今の将棋界を見てみるとプロアマ問わず、穴熊に組めるならとりあえず穴熊へ、の思考が強く、どちらかというと受けて勝つの正反対で、攻められるまえに攻めてしまおうの考えが多く見られます。現に私もこの考えなんですが、穴熊だと王手が掛かりにくく、また攻め駒と自玉の距離感が掴みやすくわかりやすいからです。それに攻めの手を考えているほうが楽しくワクワクします。
木村先生含めトップ棋士には、自分のスタイルが明確に確立している棋士が多いです。森内竜王の鉄板しかり、丸山九段の激辛、佐藤九段の緻密、そして藤井九段のガジガジなど、棋力アップには他人にはない独自のオリジナルスタイルが必要なのかもしれません。
スポンサー リンク

将棋 ブログランキング

にほんブログ村
関連記事
-
-
晩年の升田将棋は超早指し〜第11期十段戦 対加藤戦〜
昭和47年の十段戦挑戦者決定リーグから。 // 升田九段の年齢は54才。晩年は体調不
-
-
今週のNHK杯は名人対竜王おまけ藤井九段
2014年11月30日(日)NHK杯の対局は羽生名人と森内竜王のまさにゴールデンカレーな対局です。
-
-
升田幸三実力制第4代名人~2~
昨日引き続き、升田先生のエピソードをご紹介します。 陣屋事件 // 当時の王将
-
-
藤井九段、升田幸三賞受賞2年前に驚きの発言
2012年に角交換四間飛車で升田幸三賞を受賞している藤井猛九段だが、その二年前の2010年に驚きの発
-
-
竜王戦第1局糸谷七段先勝
すこし遅くなりました10月16,17日に第27期竜王戦 7番勝負の第1局がありました。 //
-
-
おすすめ将棋上達アプリi羽生将棋〜初心者、初級者向け〜
羽生善治永世名人監修 日本将棋連盟推薦の将棋アプリの紹介です。 // タイトルはi羽
-
-
棋士の棋風・キャッチフレーズのまとめ〜九段編〜
将棋の指し手は棋士の棋風により、たとえ同じ局面・同じ実力であっても指し方に違いが現れるものです。
-
-
第64回NHK杯3回戦第2局佐々木勇気五段対大石直嗣六段
第64回NHK杯3回戦第2局は、佐々木勇気五段 対 大石直嗣六段の対局です。 //
-
-
ボビー・フィッシャーと羽生の関係
平成の天才といえば競馬騎手の武豊、野球界のイチロー、そして将棋界の羽生善治と聞いたことがあります。
- PREV
- 将棋ソフトの実力とは?
- NEXT
- 振り飛車のすすめ