第64回NHK杯3回戦第3局深浦康市九段対豊島将之七段
第64回NHK杯3回戦第3局は、深浦康市九段 対 豊島将之七段の対局です。羽生世代の実力者でタイトル王位を獲得したこともある深浦九段と、関西若手有望株の一人で今年の王座戦にも登場し、毎年高い勝率を誇る豊島七段との世代対局です。対戦成績は4勝4敗の互角、熱戦なること間違いなしです。
それでは、将棋の内容を確認しましょう。
先手の深浦九段初手7六歩に、後手豊島七段3四歩から、3手目5八金と挑発的な手を指し、序盤の定跡を外し駒組みをスタートさせる。
戦型は相居飛車となり、先手は矢倉囲い、後手は片美濃囲いから金、銀を中央に配置し前例のない将棋となる。両者の指し手が飽和となり、後手は金、銀、桂から攻め、最後は飛車を切り先手玉の上部に金を配備し万全体勢へと持ち込む。
若手の勢いを感じる怒涛な攻めを披露し、終局近しと思われたが、先手も竜、馬を引き付け、辛抱強く耐え抜く。先手はギリギリの受けから上部を開拓していき、入玉を視野に入れ始める。後手の攻めが空振りしだし、先手玉はニュルニュルと入玉目指し前進していく。とうとう先手玉は捕まらなくなり、後手が投了となる。
若手の勢いある攻めを強靭な受けから、決定打を与えない読みの入った鋭い指しまわしなど、深浦将棋お得意の粘り勝ちとなる一局でした。
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