第64回NHK杯3回戦第5局 谷川浩司九段対金井恒太五段
第64回NHK杯3回戦第5局は、谷川浩司九段 対 金井恒太五段の対局です。
将棋連盟現会長で永世名人の資格保持者であり、思いもよらない手順で相手玉を詰ます光速の寄せがキャッチフレーズの谷川九段と、本格派居飛車党の若手棋士の対局です。(インタビューで出身はオーストリアのウィーン産まれとあり、毎回聞くたびに音楽の街かと思ってしまうのは私だけではないはず)
対戦成績は初手合いです。
それでは対局を振り返りましょう。
戦形は角換わり腰掛け銀となり、谷川九段の好きな駒、角&桂が前進する展開となりました。
中盤、鋭い指し手で先手谷川九段が優位を築きます。時間の使い方も見事でNHK杯戦出場35回は恐れ入ります。しかし終盤入り口で、1四竜が3四竜と入り後手玉を迫っていったが2三銀打ちとされ、1四竜と戻る展開になりました。
解説森下九段は銀を打たせて満足したかとフォローしていたが、どうやらここで形勢が入れ替わったようです。
お互いに入玉模様となるがその数手後に谷川九段の投了となりました。
まだまだ続きそうな局面ですが、谷川九段の品の高さというか美学というか、谷川九段らしい美しい投了図となりました。
最後になりますが、解説の森下九段は大晦日でコンピュータソフトのツツカナと対局した棋士です。
本対局の解説で「前の局面を引きずっているのがマズイですね、そうは言っても人間ですので、コンピュータはうらやましいです」と評していたのがもっとも印象的でした。
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